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◇高音北広域町村事務組合高音北消防本部(高知)◇

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♪SONIA(ソニア)
SONIA(ソニア)とは、高言北広域町村事務組合を構成する五ケ町村、高岡郡佐川町(SAKAWA)と、越知町(OCHI)、仁淀村(NIYODO)、吾川郡池川町(IKEGAWA)と、吾川村(AGAWA)の総称である。高知県のほぼ中央部に位置し、西は愛媛県に接し、管内中央に高知市と松山市を結ぶ国道三三号線が横断する。総面積は五四六km2(うち林野面積八五%)、総人口は三三、○○○人、農林業を中心とした集落が点在する山里と清流の美しい自然に包まれた歴史と文化遺産に恵まれた地である。
♪乏桜(シバザクラ)
組合設立三〇周年を後に制定した高音北のシンボルマークは芝桜をモチーフにしている。
芝桜は大地を覆うように多数の可憐な花を群生させることによって、美しさを発揮することから、職員一人ひとりの努力と総意によって、安全で快適な地域の実現を目指すことを表している。
高吾北消防本部は、昭和四七年の政令指定を受け、昭和四八年四月一日に発足、消防団事務は除かれた組合消防ではあるが、消防団との消防連絡会議や合同訓練等を通じた緊密な連携体制のもと、現在では一本部一署三出張所、深瀬富夫消防長以下職員四九名、消防団員六七三名が管内消防の任についている。
♪消防訓練塔
平成六年七月に完成した鉄骨造四階建高さ一七mの主塔、RC道三階建高さ一〇.五mの副塔からなる消防訓練塔は職員の自慢のひとつ。(写真参照)
完成の二年前から訓練施設新築検討委員会を結成、県内外を問わずあちこちの訓練塔を見聞し、研究と検討を重ね、職員自らが設計を担当しており、管内特性と災害現場に則した訓練が実施できる工夫が随所に取り入れられている。
例えば、ロープ応用登はん等に使用する主塔壁面の半分は壁がない。渓谷が多く高所より低所における救助活動が多い管内特性を考慮し、リぺリング等の降下訓練を実施するためである。副塔三階屋上には直径六〇cmのマンホールが4mの深さで設置されており、マンホール内の救助訓練が実施できる。副塔二階には壁が三六〇度回転する耐煙訓練室があり、幾通りもの部屋や通路をつくることができる。また、ロープブリッジ渡過訓練等の際、主塔から副塔にかける安全ネットは、電動によりわずか数十秒でセットできる。この装置は署長自らが考案し、設置したものだそうである。まさに職員一人ひとりの英知が結集された訓練塔である。
一方、消防訓練場も素晴らしい。数地面積二、六四〇m2アスファルト舗装のうえ、夜間照明設備を備えており、夜間訓練や夜に多い消防団の訓練指導等に活用される。これらの施設により、県下で行われる消防操法大会では、職員・団員共に毎年優秀な成績を残している。
♪基本の徹底
深瀬消防長の指導方針は「基本の徹底」。
「複雑多様化する消防需要に少ない人員で対応するには、多岐にわたる仕事を一人で的確に処理しなければならない。そのためには幅広い識見と柔軟な思考が要求されるが、一朝一夕には無理であり、まず基本を徹底的に習得させることが肝心」という深瀬消防長の言葉は、五年前、前消防長の急逝により四二歳の若さで消防長の職につき、自らが大変苦労した経験に裏付けられている。
消防訓練施設の見事さは、その言葉の表れであるように思えた。(片岡敏明)

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